自分が描いた漫画に対し、編集者や読者から「テンションが一定」とネガティブな意味で評価を受けることもあるでしょう。 ただ、相手がどういう意図でそう評したのかは何となく伝わる一方で、具体的にどういう点を指しての評なのか、フィードバックした側もされた側も実は曖昧、というケースも多いのではないでしょうか。 そこで今回は、わかったようでわからない漫画のテンションの悪さについて言語化し、5つのポイントにまとめてみました。 何となくテンションが一定だなと感じてしまうような場合、ぜひ以下をチェックしてみてください! 1)コマ割りのリズムが一定になっていないか → 全てのコマにおいて、台詞がほぼ同じ割合で入っているような作品。読者が漫画に描かれた感情を受け止めるためには時間が必要なので、例えば台詞が無いコマを置くなどで「間」を意識する必要がある。 2)シリアスとコメディの差が上手にできているか → ずっとコメディのまま突っ走ることが気持ち良さになる作品もあるが、かなり限定されるはず。基本コメディで展開される中にも、一瞬のシリアスが入れられるといいかもしれない。 3)感情の盛り上げができているか(阻むものあがるか) → 「物語」の感情自体が一定になってしまっており、盛り上がりが山なりになっていない作品。序盤よりも中盤・後半のほうが主人公の感情は当然強くなるが、成し遂げようとしていることに対して壁や阻むものがないと、気持ちは盛り上がらない。なぜ主人公はそんなにも叶えたいのか、という部分に読者も気持ちの昂りを感じられるはず。 4)感情の種類が全て同じになっていないか → 例えば、全てのコマの感情が「焦り・焦り・焦り」の連続になってしまっているような作品。ある出来事や相手に対しては、怒りや悲しみなどいろいろな感情が湧くはずなのに、全て同じ感情で描かれていないか。 5)カタルシスが感じられるか → 抑圧から気持ちが解放される作品になっているか。発見があるか、共感があるか、解放があるかetc.どんな種類であれ、物語の最後のカタルシスが感じられるかはどうかは非常に大事。