「柴咲コウにピントが合うのはいつなのか?」
黒沢監督が1998年に発表した同名作を、フランスへと舞台を移してフルリメイクした本作。何者かによって8歳の愛娘を殺された父、アルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)が、偶然出会った精神科医の新島小夜子(柴咲コウ)の協力を得て、犯人を突き止め復讐することを生きがいに殺意を燃やすリベンジ・サスペンスだ。
「本作の面白いポイントは『ピントが合う/合わない』こと自体が演出になっていること」と廣瀬さん。被写体の距離に合わせてピントがずらされる「ピン送り」と「画面内でのボケ」(=画面の中の不透明さ)が多様される本作。黒沢監督のピントの扱い方が生み出すドラマを追っていきます。それでは、縦横無尽に広がる話を聞き逃さぬよう!